むのきらんBlog

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自由に考えよう

自動運転の議論でまず押さておくべきこと

自動運転の議論をするときは、レベル1から4までの、どの議論をするかが重要だ。

 

日本政府の定義は以下のとおり。

レベル 1 加速・操舵・制動のいずれかをシステムが行う状態。

レベル 2 加速・操舵・制動のうち複数の操作をシステムが行う状態。
レベル 3 加速・操舵・制動を全てシステムが行い、システムが要請したときはドライバーが対応する状態。
レベル 4 加速・操舵・制動を全てドライバー以外が行い、ドライバーが全く関与しない状態。

 

 自動ブレーキ、自動操舵などのレベル2までは市販されている。運転者の常時監視が必要なレベル3があと5年ほどで市販。レベル4つまり運転者不要の完全自動はあと10年前後という構図だ。

条約と法律は基本的にレベル3までをカバー済みだ。改正が必要なのはレベル4。

 

さて、自動運転で免許年齢の引き下げを主張する以下のエントリーについて。

 

レベル4では、運転者が不要なので、「免許年齢」の議論とは無関係である。

 

レベル3ではどうか。運転者には緊急時にAI以上の対応が求められる。たとえば、高速道路で突然の落下物を発見した際には、急ハンドルで回避するか、直進して乗り越えるか、というとっさの「難しい判断」が求められる。普段の「簡単な運転」をAIがしてくれる、ということなのだ。レベル3では、運転は「楽になる」が「簡単になる」のではない。なので、運転が簡単になるという見方で「免許年齢引き下げ」論に直結させることは不適当だ。

 

一方、事故は、特に初心者、若年者、そして高齢者の事故率が高く、重大事故の大部分を占める。大部分の事故は「普通の注意」「普通の運転」「基本動作」の不足や逸脱から起きる。レベル3までの技術は、これらを支援する仕組みなのだ。 したがって、これら高リスク層には、レベル1、2、3の自動ブレーキ等の車両限定にすることも一案だ。また米国などでは自動ブレーキが義務づけされつつあるが、日本もそうすべきだ。

 

効果の検証は必要だが、重大事故を起こしにくいクルマが実現しているならば、免許年齢の引き下げも考える余地があるだろう。 なお、我々の「とっさの判断」が正しいとは言い切れない。意外にAIの判断のほうが的確かもしれない。そんな時代はもうすぐかもしれない。

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